" /> 夢で逢えたら — だから花屋はやめられない

夢で逢えたら

昨日は雨降り

ASIAN KUNG-FU GENERATION様へのお届けで

雨の湾岸 車飛ばして幕張メッセまで

せっかく新しいスタッフも入ったというのに

暇でやる事がなかった

そして今日

木枯らし一号が吹き とても寒い

そして暇 先週まではあんなに忙しかったのに

perfumeを開店して早5年

商売をしていれば 良くある事

お客さんとの別れ この地を離れていく人

しかし どんなに遠くへ離れても注文いただいたりと

またいつか会うことができる

でももう2度と会うことのできない別れがある

誰も避けることのできない 別れ

この5年間

そんな別れを何度も経験してきた

店は営業年数が増せばそれだけそのお客さんへの情も増し

悲しみも深くなる

近所の人に支えられてきたこの店

そんな事があるとみんながその人のために供える花を

ウチに買いに来てくれる

花が売れる 儲かる 

でも 喜べない

複雑な心境

それは人に限った事だけじゃない

ペットも同じ事

可愛がってたペットが亡くなる

飼い主は常連さん いつも連れていたペットも常連さん

飼い主さんが供えの花を買いにくる

ペットの思い出話をしながら 店内で泣き出してしまうお客さんもいる

そんなときの応対はとてもやるせない

気丈に振る舞い 商いに徹しようとも

やはり そうも行かない

ただのお客さんと言ってしまえばそれで済むかもしれないが

店を支えてきてくれた大切なお客さん

今日みたいに風の強い日や 大雨の日 雪が降った日

閉店後にシャッターを叩いてまで花を買いに来てくれた夜

夏の暑い日に『今花が持たないから、夏の間は造花にした』なんて

わざわざ 憎まれ口を叩きにそれだけのために店に来た日

ムカつくような事をいちいちいうけど

冬の夜に俺の嫌いなコーヒーを

『あったかいうちに飲め』と差し入れしてくれたり

店の歴史に必ず出てくる人

もう店じゃ会えないけど

今度は夢で逢えるかな その時は俺も言い返すぜ憎まれ口を

言われっぱなしじゃ 何だからね

この秋にも店の常連さんに赤ちゃんが生まれたり

今まで人見知りしていた子供がお母さんの足に隠れながら

笑ってくれるようになったり

しばらく大切なワンちゃんが死んで落ち込んでた人が

『今度来た 新しいワンちゃん』といって

ニコニコしながらつれて来たりと

逢えなくなる人もいれば 新しい出会いもある

俺の商売の原点はそこにある

俺にだってムカつくお客さんもいる

店に来て欲しくないようなお客さんも来る

気取った店も良いけど 

なんか土臭い店 人間臭い店 

臭い→匂い(smell)→香り(perfume)

そんな近所にある花やでかまわない

だから花屋はやめらんない

花屋の徒然
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だから花屋はやめられない