" /> はじめの一歩 — だから花屋はやめられない

はじめの一歩

今日は在宅介護 デイホーム代沢 やさしい手さんでの

おじいちゃんおばあちゃんのための

フラワーアレンジ教室 第一回目

そこのホームでも初めての試み

もちろんperfumeでも初めてのこと

どうなる事かと思ったが24人のほとんどがおばあちゃんだったが集まった

しかし講師とは名ばかり

花が配られたとたんにみんな花を挿し始め

10分もしないうちに終わってしまった

配られたままの長い花をそのまま小さい籠に挿すモンで

みんな倒れてしまう

出来上がったアレンジはそれぞれみんなちがう形に

老人達個々の性格がよく出ていた

もともとアレンジメントを教えるなんて気は

俺にはなかったので

楽しく花に触れてもらえればいいと思っていた

みんなそれぞれに『あーじゃないこーじゃない』と

楽しんでくれたようだった

結局45分くらいの予定だったが30分くらいはおしゃべりで終わった

そのあとは帰るタイミングを逃し

お年寄り達とおやつの時間を過ごし

神経衰弱や塗り絵や手芸に付き合った

自分の作った編み物の作品の話をひたすらする人や

アレンジの形が気に入らず

挿し直し続ける人

寝ている人

昔の話しをとにかくしたがる人など

結局 2時間半もいることに

最後それぞれ送迎のバスに乗るのを待ちながら

ひたすら神経衰弱

今日何をやったかもう忘れてしまっている人もいたが

最後バスに乗る前に

介護士さんに付き添われ

花の先生にどうしても挨拶がしたいといって

俺のところまで来て

『今日はとっても楽しかった またやりたい』

そんなことを言ってくれた人もいたり

さよならの挨拶を言いに来てくれる人がいたり

たった一人でもそう思ってくれる人がいれば

成功だったのかなと

しかし なんか切ないのが

開店当初 7年前にお店の常連で来ていたおばあちゃんが

いつからかお店に来なくなり

今日 車椅子に乗ってホームに来ていた人が何人かいた

お店に来ていた頃は

憎まれ口をたたきに毎日来るような人だったが

認知症が進み 自分の力では歩けなくなって

ひとりではトイレにも行けないくらいになっていた

もちろん俺のことなど覚えてはいなかった

誰ともしゃべらず

ひたすら編み物をしていたり

塗り絵をしていた

また来月もアレンジ教室をやるが

不謹慎な話になるが今月いた人が来月いないなんてこともありえる

せっかくだから

花に触れる事で元気になって

お店のことなんて思いだしてくれたり

花はそういう力を持っているもんだし

また来月もやりたいとか思ってくれて

みんな元気に長生きしてくれればいいなと

マジで思った

しかし介護士さんたちは本当に大変だなとつくづく思った

俺は初めてということもあってか上手に接することが出来たのか心配だが

遊びの中でビックリしたことがある

それは

記憶力の衰えて老人相手に神経衰弱をしていて

どうしてもわかっていながら手加減してしまっていたが

ホームの介護士さんたちは老人相手にも

なかなか容赦しない

俺なんてわかってるのにめくらずにわざと間違えたりしてあげてるのに

バンバン めくってゆく

老人達もルールや順番などあまり気にしない

手加減しているにもかかわらず

おばあちゃん達に『それじゃないわよ ちゃんと覚えておきなさい』なんて

言われる始末

次は手加減なしで

若さのすばらしさを存分に見せ付けてやろうと思った

花屋の徒然
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