" /> こういう時 花屋ってあこぎな商売だなと思います — だから花屋はやめられない

こういう時 花屋ってあこぎな商売だなと思います

今日はいちだんと寒さが身に染みます

こう寒くなってはお客さんの出足も止まるかと思いきや

苗物だけは売れ続けています

どうやら本格的に寒くなる前に寂しくなった花壇を華やかにしよう

という考えらしいです

しかしこう寒くなると

毎年心配なのはperfumeを支えているといっても過言ではない

お年寄りのお客さんです

しばらく見ないなと思っていると

風邪を引いていたとかいってヒョコッと顔を出した時は

とてもホッとします

不謹慎な話になりますが

毎年 この時期や1月2月に枕花などの注文が入り

お届け先が常連さんの家だったりする

夏に旦那さんを亡くした常連のおばあちゃんも

最近はなんだか元気がないし

歩く姿もなんだか弱々しい

それでもボケ防止だなんて言いながら

yuiyuiにひざ掛けなんかを編んできてくれるから

これからもっと寒くなるけど元気で過ごして欲しい

この時期はそういった突然の注文に対応できるよう

あまりに固い蕾のような菊の花ではダメなので

開花を気にしながらある程度の量をストックしておかなければなりません

それは菊だけじゃなく

ユリやそのほかの花も

もちろんストックもストックします(寒い時に寒いギャグですみません)

お客さんの注文でもあり

お店の売上げにもつながります

だけど 誰かが亡くなるのを待っているかのような

複雑な気分

こういう時 花屋ってあこぎな商売だなと思います

花屋はお祝いなどのギフトだけでなく

人が亡くなった時にも弔花 枕花 などの送りの花も仕事のひとつです

仏花やお葬儀でしか使われないような花にも

それを作る生産者さんがいる

よくperfumeに来る外国人のお客さんは

咲ききった輪菊をプレゼントにすると言って

花束にしてくれということがまれにある

外国人の方には仏の花ではなく菊の花

きっと色々ある中のひとつの花でしかないのであろう

日本人がいつしかそういった観念でその花を見てしまっているんだろう

今日大田市場では

福岡県八女の白菊『雪姫』を紹介していました

とても綺麗な菊でした

今から菊のイメージを変えようとしてもなかなか変えられません

たとえ有名なデザイナーさんが輪菊をたくさん使っても

一般的にイメージはやはり従来のままだろう

多くの花屋さんはバラの品種や名前ははたくさん覚えようとします

オールドローズのようなとか

香りのするとか

だけど菊の品種はなかなか覚えようとはしません

市場にいる昔からの花屋さんと話をすると

とても詳しいです

この季節はどこの産地で何の品種がいいか

その品種はどういう咲き方をするか

産地や品種 等級などにとてもウルサイです

語らせると止まりません

まるで若い花屋さんがバラやユリ トルコなどの好みや知識を語るように

だったら俺はその菊もバラやユリやその他の花のように

品種や生産者さんにこだわり

そのとき一番綺麗な花で

華やかに供えてあげよう 見送ってあげようというのが

自然であって

花屋としてもこだわりを持ってもいいところじゃないかと思います

市場では注連飾りの注文も受け付け始め

仲卸店頭ではクリスマス花材なども並び

すっかり師走モード

このまま新年まで何事もなく無事終わって欲しいです

寒さもまだまだ始まったばかり

風邪っぴきの花屋さんもたくさん見受けるが

これからが正念場

年末まで一気に駆け抜けたいモンです

花屋の徒然
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