送別 入学 開店と注文が立込んでいます
年度末の忙しさなんて他人事だと思っていた
paletteのオープンも影響しているだろうが
今年はどこの花屋さんも大忙しらしい
どうやら明日の健康診断はキャンセルになりそう
4月に入ったら暇を見つけて行くことにしようと思ってる
送別と言えば
俺の働く仲卸でも何人かやめるらしい
どうでもいい奴はどうでもいい 勝手にしてくれ
ただ一人を除いては
この人にはホントに頭が上がらない
30歳のとき右も左も前も後ろもわからず花市場で働き始めた
高校卒業して花の専門学校へ行くも晴れて中退
花屋さんでのバイトもどこも長続きはしなかった
そんな俺が花業界で働き始めたのも何かの縁かもしれない
偶然のように入ったその店
当時から花屋さんと掛け持ちで働き
デザイナーさんのアシスタントもしながら
花教室に通う毎日
花の種類もわからずまともに花も触ったことのない
そんな俺がお店を出すまでになったのも
この人のおかげかもしれない
花のこと産地や等級 市場のことなど1から教えてもらった
くだらない話をしながら時には怒られながら
ありえないと思うかもしれないが
花の入ったダンボールの持ち方から
新聞の巻き方 箱への梱包の仕方
花屋の技術以外はほとんどこの人に教わったようなもの
そんな人がこの3月で退社してしまう
本当にお世話になりました
もちろん今の名前になる前のこと
懐かしきや大田京成フラワー
大変だったけど楽しかった
そして会社の名前が変わりひとつの時代が終わった
その人は最後まで俺の直属の上司
歳は俺の少し上 兄貴のような存在だった
その人がいなくなった
これで俺もこの会社では完全に四面楚歌
ただでさえ舵もなくエンジンさえ積んでないような見かけだけの船
行き先さえもおぼつかず どこへ向かっているのか
ただ俺は社内の足の引っ張り合い、責任のなすりあいには
我関せず時間給を稼ぐだけ
京成時代の仲間もいるが
どうなんだろう?
もっと自己主張すればいいのにと思う
出る杭は打たれるが 出ない杭は見向きもされないぞ
目の上のタンコブくらいになってもいいのではないだろうか
余計なことだとは思うが
昔読んだ本に書いてあった
『他人にはわかりっこない
おれは今だって誠実だということだ。
これまでだって誠実以外の何ものでもなかったし、
これからだってそうだということだ
おれはおれの考えている誠実がこの世の唯一のものだと思っているし、
同様に奴らも、自分の考えているのがこの世で唯一のものだと思っている』
その誠実と言う言葉の裏にある偽善をかぎつけろ
スケープゴートにはなるなよ
異端児はいつだって孤独な長距離ランナー走っているときは孤独だが
「この孤独感こそ世の中で唯一の誠実さであり現実であり、
決して変わることのないという実感」だから
俺はスケープゴートはゴメンだが
沈み行く船で心中はもっとゴメンだ